DRSSTC 製作のこれまで
高専本科 2 年のころにとある先生のもとで iPad アプリを作っていたのですが,それを学校として Make Ogaki Meeting 2012 出展することになり,そこで鈴木ヒロシ氏のテスラコイルを見たのがはじまりでした.
その時展示されていたテスラコイルがこれ.
莫大なエネルギーを使って放電を発生し,その放電音で音楽を奏でるというスケールのでかさに圧倒され,家に帰って早速テスラコイルについて調査を開始. 某掲示板にテスラコイルを作っている人たちが集まっているのを発見し,そこから情報収集しつつテスラコイルを作ることにしました.
DRSSTC 初号機
本科 3 年で学校のオープンキャンパスに向けて DRSSTC 1 号機を製作 (作業期間は 1 ヶ月程度). テスラコイルについてはほとんど素人だったが,PJ 氏にいろいろ助けていただき,なんとか完成させることができた.
二次コイルは VU65 に 0.3mm の PEW を巻取り長が 456mm となるように 1278 回巻いたもので,共振周波数は 374 kHz,放電距離は 20cm 程度であった. ゲートドライブ回路は Steve 氏が公開しているものを用いた. また,手持ちの Raspberry Pi でスーパー○リオブラザーズの BGM を PWM で出力し,楽曲演奏まで行うことができた.
1号機の問題点は,
- 配線のインダクタンスを考慮していないため IGBT への負担が大きい
- 秋月のちっこいヒートシンクを使って熱処理をしていたため IGBT が数十秒で高温に
- 一次側で駆動周波数を十分に下げることができず,トロイドをつけていない
- PWM を出力するコードは duty が大きいため,過電流で高い電圧での駆動が不可能
など.あとから考えると大変なものを作ってしまったなぁと思っている.
DRSSTC 2号機
学校の文化祭に向けて製作. プロジェクトメンバーにロボ研のすごい人とか頭のいい人とかを加えて,製作した (ちなみに自分は情報系). 本科 4 年の文化祭では,本質とは関係ないトラブルにあい,出展中止寸前まで追い詰められたこともあって,楽曲演奏はできなかった. 5 年の文化祭では作業が追いつかず,万全の状態で展示することができなかった.
二次コイルは VU150 に 0.5mm の UEW を巻取り長が 850mm となるように 1600 回巻いたもので,共振周波数は 159kHz. トロイドをつけると 100kHz まで共振周波数を下げることができた.
1号機の問題点を改善し,IGBT を従来のディスクリート製品から大容量のモジュール製品へと変更. また,金魚氏が公開している MIDI インタラプタを作り,MIDI データから楽曲を演奏できるようにした.
しかし,放電距離がなかなか伸びない. 最長で 40cm ほどだったと思う.
おそらく,
- コイルの巻きすぎ
- ゲートドライブ回路の性能不足
あたりが原因だと考えられる. まだ詳しく調査していないので,3号機を製作するにあたって改善する点を見つけていきたい.