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2 次コイルの設計

テスラコイルの 2 次コイルの設計方法をまとめておく.

Q 値と経験則

2 次コイルを設計するにあたって重要なのは,1 次共振回路の Q 値 (Quality factor) である. 1 次回路は LC 直列共振回路であるから,その Q 値は

 { \displaystyle
  Q = \frac{1}{R_p} \sqrt{\frac{L_p}{C_p}}
}

で定義される. これに  \omega_p = 1/\sqrt{L_p C_p} を用いると,

 { \displaystyle
  Q = \frac{1}{\omega_p C_p R_p}
}

と表せる. ここで  \omega_p は 1 次側の共振角周波数である. つまり,1 次回路の Q を大きくするためには 2 次コイルの共振周波数を小さくすればよい.

2 次コイルの共振周波数は

 { \displaystyle
  \omega_s = \frac{1}{\sqrt{L_s C_s}}
}

で決まる.  C_s はトロイドとアース間の距離  d とトロイドの表面積  S によって,

 { \displaystyle
  C_s = \frac{\epsilon_0 S}{d}
}

で決まる. つまり, d を小さくし, S を大きくすれば  C_s が大きくなり, \omega_s を小さくすることができる.

ところで, L_s は巻数比による昇圧や分布定数回路の形成のために維持する必要がある.  L_s を維持しつつ, d を小さくするためには 2 次コイルの巻線を細くすればいいが,断面積の減少や表皮効果によって抵抗値が上昇し,焼損する恐れがある. そのため,経験則に従って,巻数は 800~1000 回程度とし,コイルの直径やそれに対する巻取り長の比は以下の表のとおりにすることが多い.

電力クラス コイルの直径 比率 導線巻取り長
500W 以下 75mm 1:6 450mm
100mm 1:5 500mm
500 - 1500W 100mm 1:5 500mm
125mm 1:4.5 560mm
150mm 1:4 600mm
1500 - 3000W 150mm 1:4 600mm
175mm 1:5 612.5mm
200mm 1:3 600mm
250mm 1:3 750mm
3000W 以上 250mm 以上 1:3 -

インダクタンス

2 次コイルのインダクタンスは無限長ソレノイドと同様に以下の式によって求められる.

 \displaystyle
  L = \frac{K_N \mu_0 \pi r^2 n^2}{l}

ここで  K_N は長岡係数, \mu_0 は真空の透磁率 r はコイルの半径, n は巻き数, l は巻取り長である.

参考

  1. 薬理凶室, "図解 アリエナイ理科ノ教科書," 三才ブックス, 2014.3.